明治維新-日本における領土画定と国民創造-
教材のねらい
千葉県立長生高等学校の佐藤克彦先生からの提供です。
佐藤先生からのメッセージ
歴史総合の授業で領土の問題と日本における国民国家形成を絡めて扱った授業と思考力・判断力・表現力を測る論述問題案です。
国民国家の形成に際して、情操の面から子供に大きな影響を及ぼした音楽教育の中でも、日本の領土の画定を歌った「蛍の光」は国家として立場を捉えることができます。一方で領土画定の過程で日本に編入させられたアイヌや琉球の人々の国民化について扱い、「北海道旧度人保護法」を例に、この法はアイヌの尊厳を著しく傷つけるものであり、和人と日本政府による不正義による差別意識を浮き彫りとしたものであることを理解させました。ただ、アイヌが一方的に日本に「同化(assimilation)」させられたと捉えるのではなく、アイヌ自身の「文化変容(acculturation)」の側面があることにも着目させ、アイヌによる近代化やアイヌが自分たちの歴史をどのように見たのか考えます。
また、論述問題では、アイヌ施策推進法(アイヌ新法)と先住権を例に、アイヌの先住権の関わる歴史にみられる課題を近代国家と先住民との関係を論じる問題です。
作成にあたって、下記教材を参照した。
参考文献
- 埼玉県高等学校社会科教育研究会編「唱歌に歌い込まれた国家主義」『日本史授業で使いたい教材資料』(清水書院、2012)
- 坂田美奈子『先住民アイヌはどんな歴史を歩んできたか』(清水書院、2018)
- テッサ・モーリス=スズキほか『アイヌの権利とは何か』(2020)
- 東京新聞(2019.9.17)「逮捕覚悟 先住権問う「アイヌの伝統」許可申請せずサケ漁」
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