• 投稿者:大房 信幸  日本文化のあけぼの

    中村翼先生 コメントをいただきありがとうございます。返信が遅くなり申し訳ありません。ジェンダーの視点については生徒の思考が「~についてはこういう見方もできるよね」といった段階にとどまってしまっている課題を個人的には感じており(視点の問題ではなく私の授業の問題なのですが)、今もしくはこれからの自分を想像させる(考えさせる)上で先生のご指摘はとても重要なものだと感じました。実際の授業ですが今年度は4時間で行いました。
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    2023/08/01 at 3:34 pm
  • 投稿者:中村 翼  小説「こころ」を通して「明治時代」を読み解く

    京都教育大学、中村翼です。
    三谷先生・徳原先生のコメントに続けるのは恐れ多く、また屋上屋の感がぬぐえないのですが、私も結婚観などに関するジェンダー関係で『こころ』を教材に使うことがあり(先生も注目されているように、結婚観、男女間の相互認識、兄弟間の関係など)、長文失礼します。

    まず、『こころ』は多くの高校性に少なくないインパクトを与える小説だけに(私の高校時代の教師は「『こころ』を読むためにこれまでの現代文の授業があった」とまで言っていた)、歴史の教材としてうまく使えば、国語・歴史双方の理解につながるものと思います(先生の狙いもまさにその点と拝察しました)。

    さて、三谷先生がおっしゃるように制度上、大正7(1918)までの「大学」が「帝国大学」を指すことは『こころ』に限らず、漱石(と同時代の作家)の作品を理解する上で、誤解しやすいポイントなのですが、すると、漱石文学がかなり(東京)帝国大学の学生(三四郎・『こころ』の私など)・卒業生(『こころ』の先生、『それから』の代助など)の物語であることに改めて気づかされます(しかも「落ちぶれ」卒業生が多い)。すると、この小説が連載された新聞の読者層とはどのあたりなのか(→はっきり分かれるものではないですが、「近代化」の時代と「大衆化」の時代の距離感?)なども素材になるでしょうか。あわせて何気なく出てくる「中学生」も、現代人がイメージするそれとは社会的地位が異なるので、やはり要注意ですね。

    また、『こころ』の先生の生計(学生時代と作品中の現在)の問題は、迂闊ながら今回の教材ではじめて(教材につかえるのだと)気づかされました。その上で、叔父にだまされて財産を失ったという先生の設定を考えるのも面白いかも知れないと考えました(叔父にだまされてから、人を信じなくなった「先生」は冷徹な資産運営者になったのでしょうか?投資に失敗する人も当然多くおり、過酷な競争とセーフティネットの弱さは明治時代の一つの特徴でも有るので〔作品中の現在の先生について〕あまり「安泰」なイメージを強調すると危ないかもしれません)。また「遊んでいられる」という言葉の語感は、現在の高校性のイメージと、漱石の用法は少し違うかもしれません。

    第3題は、まさに国語・歴史の総合問題ですが、これは難しいです。これを論じた「解説」(文庫巻末など)や論文も少なくないようですが、これらも補助材料にするとより深い学びにつながりそうです。時間はなかなか許さないでしょうが、国語・歴史双方の教員で講評できるとなおよいですね。

    最後に余談ですが、『こころ』を6年前の夏に読みなおしたとき(職が得られたことに安堵して漱石をまとめて読みました・・・)、「先生」と「お嬢さん」と「私」の年齢が気になり、驚いたことがあります。

    国語(現代文・古典・漢文)でしっかり読んだ作品を歴史で取り上げると、定着もよくなり、まさに多面的にみる力の養成に役立つと思います。今後ともご教示下さい。

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    2023/08/02 at 4:35 pm
    • 投稿者:濱田文  小説「こころ」を通して「明治時代」を読み解く

      京都教育大学
      中村翼 先生
       
      貴重なご助言を誠にありがとうございました。中村先生にご指摘いただきましたように、漱石の作品に登場する主要な登場人物の多くは「(東京)帝国大学」の学生や卒業生であり、彼らは卒業後に定職に就かなくとも世間から後ろ指を指されることなどない、前途有望な「知識人」として描かれています。彼らの立場を現代の若者の境遇と同様に捉えてはいけないのだと思います。「こころ」の「私」が「先生」を尊敬し慕ったのは、「先生」が大学を出たごく少数のエリートであり、「私」の故郷(田舎)では出会うことのできない人物であったからだと思います。また、「こころ」の奥さんが、お嬢さんを「先生」と結婚させることに躊躇なく同意したのも、このような背景があってのことだと考えます。三谷先生からもご教示いただきましたが、授業の中で、この点について丁寧に説明すべきだったと感じております。漱石作品には、現代の私たちが違和感なく作中に入り込めるような「魅力」があるため、こうした点には注意が必要だと改めて感じました。
       また、次に中村先生がご指摘くださった「過酷な競争とセーフティネットの弱さは明治時代の一つの特徴でもある」というお言葉からも多くの示唆をいただきました。「こころ」の中で使われている「遊んでいられる」という言葉を現代の文脈にそのまま置き換えてはいけないのですね。生徒の感想にも
       
      「夏目漱石の描く『こころ』には現代の私たちには理解しにくいような点がいくつかあったが、今回の授業を通して、理解しにくい点というのは、先生やKが生きた明治という時代を忠実に表現していたからだとわかった」
       
      とあり、まさに中村先生がご指摘くださった点について、明瞭な形で言語化はできずとも生徒たちが少しく違和感を抱いたことがわかります。貴重なご助言をありがとうございます。
       ところで、ご助言を念頭に読み返してみると、漱石作品には、このような明治時代の「危うさ」がよく描かれていることに思い至りました。例えば、「それから」の代助の父についてですが、
       
      「代助の父は長井得といって、御維新の時、戦争に出た経験のあるくらいな老人であるが、今でも至極達者に生きている。役人を已めてから、実業界に這入って、何か彼かしているうちに、自然に金が貯まって、この十四五年来は大分財産家になった」
       
      とあります。「それから」が新聞に連載された1909年の14,5年前には日清戦争があったことから、日清戦争で財産ができたことを暗に示しています。代助は、このような父の援助のもと高等遊民として暮らしているのですね。反対に、エリートが道を外れると「門」の主人公の宗助のようになってしまいます。明治時代のダイナミズムと危うさについて、もっと勉強しなければならないと思いました。
       
      問3は「先生が妻ではなく、若い友人の「私」に遺書を残したのはなぜか」でした。
      この遺書は明治という時代そのものを生きた「先生」から「私」への手紙という形式をとっています。「先生」は遺書を若い世代の友人である「私」に向けて書くことにより共感や励ましの気持ちを伝えたかったのだと思います。明治という時代を「近代の黎明期」と一括りには言えないように、「先生」の生きた明治と「私」の生きている明治には隔たりがあると考えます。このことは、2人が「近代」に対してどれだけ自覚的であるかにも関わっているように思います。この問題について、文学の文献なども参考に勉強していきたいと思います。最後に、問3に関する生徒の感想を2つご紹介させて頂きます。
       
      〇 先生は自分が生きた過去を、「私」という若者にだけ打ち明けた。明治を生き、明治の精神に殉死した「先生」は“過去(明治)の象徴”であり、「私」は“未来の象徴”として漱石は描いたのではないか。私は父重篤の中、先生からの遺書が届き、東京行きの列車に飛び乗って先生のもとへ向かう。この私の行動は「忠孝の道」に逸れた行動かもしれない。“世間体”というものを気にしていた先生と私の大きな違いであると思った。今までの価値観にとらわれないような新しさや、明治が終わり新しい時代を生きていく「私」から力強さのようなものを感じた。
      〇 先生はお金に困っているわけではないにも関わらず、常に幸せではなかったと思う。全体を通して先生は誰かからの理解をずっと求めていたのではないかと思った。その「誰か」がずっと自分を「先生」と呼び慕ってくれた「私」であり、先生はその心の荷を第3者に預けたことでようやく解放を感じられたのではないだろうか。
       
      「こころ」は生徒だけでなく国語の教員にとっても特別な小説のようですね。先生がご助言くださったように、国語の教員と連携した歴史の授業ができたなら、と考えています。今回、諸先生方からいただいたご教示をもとに授業を改善し、国語の教員にも見てもらおうと思っています。今後もお気づきの点などありましたら、ご教示いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

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      2023/08/04 at 10:49 am
  • 投稿者:中村 翼  渡来人の与えた影響

    京都教育大、中村翼です。

    東アジアの交流史を専門で勉強しながらも、正直、「渡来人」は十分な認識を持てないで居ます。その上でのコメントにて、的外れな点があるかも知れません。ご容赦ください。

    「渡来人」は、(たまたまかもしれませんが)勤務先の学生に関心を持つ者が多くいて、少しびっくりしていたところです。

    さて、スライド5「渡来人の規模」ですが、その他の部分で先生は「渡来人」の時期設定を主に4~7世紀にしており(教科書もそうだと思います)、ここだけ縄文・弥生移行期がクローズアップされていると読めてしまいました。なお、この人口増は、農耕の本格的な開始による人口増加が加味されておらず、縄文~弥生の人口増がそのまま「渡来人の規模」とする誤解を与えそうです(酷い蛇足ですが、「日本人は、古来より列島外からの影響をほとんど血統的に受けていないのだ!」といいたいのではありません。沖縄でも濃厚開始によって人口が増えますが、その差分を(稲作をもたらした)「ヤマト人」の規模としないことと同じです)。

    また、4~7世紀の「渡来人」は、教科書では〈すぐれた技術・文化の持ち主としてヤマト王権の支配などを支えた」という文脈で出てくるので、(日朝間の政治関係を背景とした)技術交流のイメージが先行するところ、先生の教材では、もっと幅広い人々を想定しているように読めました。実際、秦氏などは伝承では万単位での渡来といわれるので、前者のイメージだけでは難しいのですが、どこまでの裾野を想定すべきかは正直悩ましくもあります(当然地域差もあるはずで、九州は「渡来」にとどまらない双方向性や、裾野の広い交流があったにせよ、他の地域はどうなのか??)。このあたりはどのように授業では展開されているのでしょうか。

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    2023/08/02 at 5:07 pm
    • 投稿者:大橋 康一  渡来人の与えた影響

      中村先生、ありがとうございます。
       先生のおっしゃりたいことはよく分かります。この授業の内容の細部が、いろいろ問題を孕んでいることは重々承知しております。ただ、現在この授業案で悩んでいることのうち、最大の課題は、いかに50分以内に収めるか、という点にあります。
       私自身、まだこの授業を一度(原型を含めれば2度)しかやっていませんが、知識構成型ジグソー法について1年しか経験が無いからかもしれませんが、授業展開が必ずしもスムーズにいかず、3~4分オーバーしてしまった次第です。もちろん、無理をせずに2時間掛けてやれば、もっとスムーズにいったのでしょうが、実際の年間授業計画の中では1時間がせいぜいでしょう。2時間も費やすのでは、普段用の授業として使ってもらえないと思います。
       できれば次回は5分、できれば7分ほど内容を削らねばならないと思っています。そうすれば、多少の解説の時間がとれて、先生のおっしゃったような解説が可能になります。
       特に、この授業案の中で、最も時間が読めないのが「渡来人の規模」のパートです。突然歴史の授業でExcelを使えるか、シミュレーションをやったことのない生徒が時間内に理解して計算してくれるか。自分が普段教えている生徒ならだいたい予想は付きますが、他校の生徒までは自信がありません。
       この授業は一昨年に作ったものですが、ここに公開するまで、そうしたことに悩んでいるうちに1年以上かかってしまいました。アップロードするかどうか、最後まで悩んだのですが、第一・第三部会で提案している概念にもとづく授業のイメージをもってもらうため、「民族移動(集団移動)」という概念を理解するための教材として、たとえ内容的に不備があったとしても、そのイメージを理解してもらうものとして公開させて頂きました。このコメントを読んで頂いている先生方も、その点をご了解下さい。
       なお、同時に公開した古代オリエントの民族移動の授業も、同様な「不正確さ」を含んでおります。その点につきましても、ご理解下さい。
       順番が逆になってしまいましたが、教材の表現について具体的にご指摘いただき、助かりました。すべて納得できるご指摘です。授業時間とのバランスが許す限り、誤解を減らせるように改善したいと思います。ありがとうございました。

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      2023/08/02 at 7:41 pm
  • 投稿者:三谷 博  06_「国民」とは、どのような人同士のことを指すのだろうか?

    三谷 博です。ナショナリズムをどう理解するかは、近代史中のもっとも重要なテーマの一つですが、この教材はフランスを例として明解なガイドを与えていると思います。その上で、2点、付け加えます。私の見るところ、ナショナリズムとは、「ある国家を単位として「内」と「外」を峻別する思考慣習」であって、それが住民に浸透させられたあと、「国民としての一体性」ができます。教科書では「国民としての一体性や均質性」と書かれることが多いようですが、歴史的には順序が逆です。実際、アメリカやインドや中国には均質性がなくても、ナショナリズムが存在します。いまでも常に見られるように、政治家は国民の支持を取り付けるため、外部に「敵」をフレームアップします。ネイションとは言語や生活習慣や伝統などを共有する集団と語られることがしばしばですが、教材にあるように、それは後から作られます。(拙著では、『日本史のなかの「普遍」』第3章、原2008年)。
    他方、ナショナリズムの脱構築にあたっては、一つ留意すべきことがあります。「国民国家」を警戒対象とするとき、人々は国家との関係を断ち切りがちとなります。その時、国の政策はどのように立てれば良いのでしょうか。良い政策、この文脈では外国との敵対関係を作らないようにするには、むしろ国家に積極的に関わらねばなりません。私見では、その時、「市民」と自らを意識すれば良い。これは、外部を意識して使われる「国民」と違って、国家の内部に向かって使われる語です。フランス革命時には両方とも使われたようですが、文脈が違ったはずです。「国民」と「市民」は人口集団としてはほぼ同じで、包摂を拒む/拒まれる少数派が生ずるのも同じですが、「市民」は自動的には外部との敵対関係を生み出さない概念のはずです。残念ながら、日本と韓国では「国民」が常用されるので、「市民」間の議論がすぐ国家間の議論に引きずられるという弱点があるように見えます。

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    2023/08/04 at 4:02 pm
    • 投稿者:濵野 優貴  06_「国民」とは、どのような人同士のことを指すのだろうか?

      コメントありがとうございます。
      大変興味深く拝読しました。

      >良い政策、この文脈では外国との敵対関係を作らないようにするには、むしろ国家に積極的に関わらねばなりません。

      この点、特に興味深いです。
      2学期以降の授業で、この点を扱いたいと思います。
      大正デモクラシー、ロシア革命あたりの単元で、問いを投げかけられるかなと思いました。

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      2023/08/18 at 2:25 pm
  • 投稿者:三谷 博  15_「植民地支配は、植民地の人々を救った」という言説は、どの程度妥当だろうか?

    三谷 博です。植民地支配の中に二義性も組み込んだ結果、生徒の感想も散らばっているのが興味深く感じました。
    もっぱら植民地にされた地域が対象ですが、されなかった地域のことも合わせ考えてはいかがでしょう。つまり、日本との対照です。例えば鉄道建設などの開発は日本より先行した土地が多かったようですが、中長期的にはどうだったでしょう。かつ、教科書などではあまり取り上げられていないようですが、「現地民のプライド」問題はいまに至る大問題です。植民地支配による伝統的エリートの没落、知識人の台頭といった長期的変化の中で、それがどう変化したのか、素人の私として、ぜひ知りたいところです。

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    2023/08/04 at 4:30 pm
  • 投稿者:山田 道行  「歴史総合」前期期末試験

    出崎幸史先生
     京華高等学校の山田と申します。
     とても参考になりました。歴史総合の定期試験について、図版や史資料を数多く使用しながら、19世紀のヨーロッパ、アメリカ、アジア、日本の開国までを幅広く扱われています。問題の形式も、提示された史資料に対して「メモ」を提示する設定によって読み取り問題としたり、用語の説明や論述問題を織り交ぜられたりと、とても工夫を感じました。特に、大問1の問5(2)『最後の授業』を資料として挙げ、「フランスの人の言語を題材とするナショナリズムを批判せよ」という問いには深く考えさせられました。

     以下、2点ほど質問をさせてください。

    1.出崎先生の教材説明にもあったように、「歴史用語そのもの」と「資史料を用いて比較・考察する」ことの「バランス」(「知識・技能」と「思考・判断・表現」)ですが、このテストではどのようにお考えでしょうか。
     ⇒私自身も、テスト作成時に一番苦慮するところです。(できることなら、論述1題だけ!という究極の作問をしたいですが、それは難しいので・・・)

    2.上記の「歴史用語」に関連しますが、それなりに授業で歴史用語の解説をされているのかと思いますが、授業における上記の「バランス」はどのようにお考えでしょうか。
     ⇒私自身も、史資料の比較・考察、話し合いなどとのバランスに苦しんでいます。

    2.試験内で使用されている史資料は授業中に学習されたものでしょうか。それとも「初見資料」も混ざっているでしょうか。特に、第1問の問5(2)『最後の授業』は、「言語」を通してナショナリズムや国民国家を多面的に考えさせる良問かと思いますが、これは授業中に何らかの形で議論されたものなのでしょうか。

    以上、私の問題意識で質問をしてしまいましたが、お時間のあるときにご返答いただければ幸いです。

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    2023/08/17 at 12:30 pm
    • 投稿者:出﨑 幸史  「歴史総合」前期期末試験

      山田 道行先生

       出崎です。夏休み中での返答ができず、コメントが遅れましてすみません。
       授業よりもテストの方が本気で向き合うと思うため(悲しいことですが)、ある程度大学入試問題の形式を意識しながら生徒に負荷をかける定期試験を作ったつもりです。残念ながら普段の授業ではそれほど資料・史料を扱えなかったりしています(1時間に2・3ワークくらいです)。

       さて、先生からのコメントに対して回答させていただきます。
      1.試験問題中の設問のバランスですが、純粋な「知識・技能」部分と「思考・判断・表現」部分の配分は38:57となっています(その他「主体的に学習に取り組む態度」部分が5点あります)。これは作成時にこの配分にするということを意識したわけではなく、配点をつけていたらたまたまこうなったというもので、作成時には3:7くらいの意識でした。どれくらいの配分が良いのか分かりかねています。先生の理想に挙げられました、1問で書き上げるタイプは、私もできることならやってみたいものです。

      2.歴史用語の解説については、従来の「世界史A」と比べて同じくらい説明はしています。ですが、「歴史総合」の授業ではそもそもの歴史用語をあまり使用しないよう心がけています。固有名詞は仕方ないですが、言い換えられる言葉であれば、内容が理解できるのであれば、用語そのものは伝えますが、状況が分かればそれでよしという考え方でやっています。これについては、私が歴史学を専門に学習してこなかったこともありますので、歴史を専門とされた先生方にとっては否定的に見えるかもしれません。そのあたりについて、様々な先生方と意見交換してみたいところです。
       授業内ではある程度の歴史の流れをプリントで解説をし(その際に歴史用語を穴埋めするようなことはしていません)、その中で一部の場面に関する資料を見せて、この時代の人々の価値観や取るべき行動などについて一人で考える→机をつけて3~4人で確認しあうということを繰り返しています。なので、歴史用語についてはあまり重視せず、考えて他人に伝える行動がメインかと思います。

      3.試験内で使用した資料・史料は、初見のものと、授業内で見せたものが混在しています。初見は『最後の授業』と、日米和親条約・修好通商条約に関する部分だけです。フランスのナショナリズムについては、授業内で『国民国家とナショナリズム』内の文章を使ってドイツ人のナショナリズムについて考えることをしていますので(ドイツ語を話す人達がドイツ人で、その人たちが住んでいる場所が統一されたドイツの領域とすること、1848年以降の小ドイツ主義でオーストリアを排除した理由を考えるディスカッション・ワークをしています)、授業の経験を別の形で応用できるかということを試しました。歴史用語に関する部分の解説が不徹底だったため、アルザスの位置が問題では分からない・地図から推測できない生徒がそれなりにいたので、地図にアルザスの位置を囲むなどした方が良かったように思います。日米和親条約・修好通商条約に関する資料は条約の内容やアヘン戦争・アロー戦争との対比などについては授業内で扱っており、それを史料を参照して確認ができているかを問う形となっています。その他の問題の資料は一度見たもので、問い方を変えているものもあります。

       きれいにまとめられていない文ですが、回答させていただきました。ご不明点などありましたら、ぜひコメントをいただければと存じます。また、定期テストについても研究会などで意見交換ができる機会があれば、他の先生も交えてそこで話をしてみたいものです。コメントいただきましてありがとうございました。

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      2023/09/01 at 5:15 pm
  • 投稿者:山田 道行  12_第2次産業革命は、どのような特質を持ち、なぜ独占資本の強大化を招いたのだろうか?

    京華高等学校の山田です。
     第2次産業革命と独占資本の強大化について、ジグソー法を用いて3つの資料から考察させる授業構成になっており、3つのエキスパート資料はどれも生徒が取り組みやすく構成されているので、多くの学校で使用しやすい教材かと思いました。私も19世紀後半を扱う際に参考にしたいと思います。
     さて、濵野先生が教材説明で挙げられている「生徒の感想」を読むと、中国系の「移民」への差別について関心を持った生徒がいるようです。これは資料♠「19世紀後半の第2次産業革命は、どのような人々が担ったのだろうか?」に取り組んだ結果なのかと思います。そこで考えたのですが、授業全体のメインクエスチョンを「第2次産業革命は、どのような人々が担ったのか?」としてもいいのかと思いました。なぜなら、「独占資本主義の強大化」という問題がこの資料だと少し不明瞭(用語や知識として入れることはできるかと思いますし、帝国主義との関連でその「問題点」を考える必要もあるかとは思いますが)なので、第二次産業革命の「担い手」を考えることの方が焦点がはっきりするかと考えたからです。この「担い手」には、労働力としての移民も入りますし、独占資本となっていく巨大企業も含まれます。また、南北戦争後に「解放」された奴隷がどのような生き方を強いられたのか、という点でも意味があるため、「担い手」を追究することで、第2次産業革命および19世紀~20世紀初頭についての議論が深まるのかと考えました。

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    2023/08/17 at 1:20 pm
    • 投稿者:濵野 優貴  12_第2次産業革命は、どのような特質を持ち、なぜ独占資本の強大化を招いたのだろうか?

      コメントありがとうございます。
      実践してみて、同じような印象でした。
      「独占資本主義」という概念キーワードは触れたいところですが、MQはおっしゃるように「第2次産業革命は、どのような人々が担ったのか?」として、そのうえで最後に、「独占資本主義」のキーワードやそれと移民労働者や重化学工業化のつながりについて、資料集の図を使って確認するような流れがおさまりがよさそうに思います。
      中国系の「移民」への差別について関心を持った生徒は、複数おりましたが、中国にルーツを持つ生徒が特に思うところがあったようで、授業後に話しに来てくれました。
      岩波新書『シリーズ歴史総合を学ぶ 世界史の考え方』で、ヨーロッパ系移民と、アジア系移民の間でも、法的な扱いや制度に差があったことが述べられていました。
      そうした点も史料に盛り込むと、より深まりそうだと思いました。

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      2023/08/18 at 2:31 pm
  • 投稿者:濵野 優貴  10_1848年の革命は、どのような人々を、どの程度自由にしたといえるだろうか?

    自分の備忘録を兼ねますが、『世界史の考え方』P.121~130に、1848年革命を「専制vs自由」以外の、ナショナリズムからはじき出され、経済的に貧しい立ち位置にあった少数民族の、ナショナリズムの内側に入ろうとする渇望をもとに分析する考察が示されています。
    資料♠はそちらで作成した方が、統一感が出たように思います。それに応じて、資料♥・♦もこの視点から再編成できそうです。

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    2023/08/18 at 6:37 pm
  • 投稿者:寺前 駿  「戦争によって女性は解放された」という言説に、どの程度、賛成・反対?

    和歌山県立和歌山北高等学校の寺前駿です。
    武井先生の教材、興味深く、私の授業や『私の授業理論』の形成で活用できるところはないかと考えながら、拝見させていただきました。メッセージのなかで「「目標論、単元構成、授業方法論、内容の精選原理、扱うべき史資料の特性といった諸要素の関係性から成り立つ『私の授業理論』」をわかりやすく形にした教材」との話に興味をそそられ、コメントさせていただいております。
    メッセージの意図を踏まえると今回の授業であれば、第一次世界大戦期の女性の解放という学習内容をもとに、生徒たちが”ジェンダー差別”という現代的な諸課題を考え、”多様性の尊重”する姿勢を身につけることを目標として置き、「知識構成型ジグソー法」を用いて「法律が整備されれば差別はなくなったといえる」という素朴概念からの変化を、♧では国民(ネイション)の面、♡では参政権の面、♤では雇用の面から、依然として「女性らしさ」というものが人々の考えのなかに存在し、無意識のうちにジェンダー差別がうまれているという概念変化へと協調学習を通じて、深める授業方法を設定したものだと捉えました。
     
    そこでいくつかの質問があります。
    1.この捉え方に対する訂正や補足があれば教えてください。
    2.この授業は、単元を通して生徒たちに学ばせたい概念と、どのような関係になっているのでしょうか。
    3.問いの構造化にあたって資料の配列、精選等、具体的に意識した点があれば教えていただければありがたいです。
    (私自身の不勉強もあり、どの配列がどの理論と合わさるのか気になったためです。)
     4.全体を通して武井先生の『私の授業理論』と今回の教材との関係を教えてください。
     
     教材共有サイトのコメントとしてはズレた質問かもしれず、また、他の先生方からすると当たり前のことかもしれませんが、武井先生の『私の授業理論』について詳しく知りたいと思い、恥を忍んで質問させていただきます。

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    2023/08/28 at 7:29 pm
    • 投稿者:武井 寛太  「戦争によって女性は解放された」という言説に、どの程度、賛成・反対?

      コメントありがとうございます。
      「私の授業理論」につきましては、授業理論WGのドライブの「キックオフミーティング」内に収めておりますので、ご確認いただけますと幸いです。
      ご質問につきまして、
      ①「多様性の尊重」はもちろんそうですが、女性差別については、そもそも現代社会において女性は抑圧された構造のもと差別されているという認識を前提としており、言うなれば「差別された女性をこそ尊重せよ」という「差別の撤廃」を訴えるものあることを付言しておきます。
      ②学ばせたい概念は「第一次世界大戦を通じて女性の権利は大きく認められるようになったとはいえ、女性を差別する価値観は今もなお残っており、その価値観のもと社会が作られている」といったところでしょうか。歴史総合の目標に照らして抽象化すれば「現代的な諸課題の形成に関わる近現代の歴史」ということになります。
      ③より、国民・参政権・雇用、という側面から学ぶことができるように配列をしました。なお、知識構成型ジグソー法(三宅なほみ,学習科学)の教材作成原理は、問いの構造化(渡部竜也,社会科教育学)とは関係があるわけではないので、「問いを構造化してエキスパート資料を配列、精選する」ことは、知識構成型ジグソー法の教材作成の一つのヒントにはなりますが、必要条件ではないことに注意して下さると幸いです。
      ④公民としての資質・能力の一つをより良い社会の形成を担う市民の歴史認識及び社会認識と捉えたうえで、その認識を獲得させるという「目標」を据えた時、経験則としての差別意識や無意識のうちの差別を概念変化させ、科学的な理解に到達させることを得意とするKCJという「方法」が効果的だと判断した、というものです。そしてこの「目標」をこの「方法」で実現するための「教材精選原理」がアップロードしたエキスパート資料であり、素朴概念をより明示するための工夫としてのアンケート結果の配置、ということになります。

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      2023/08/28 at 10:42 pm
      • 投稿者:寺前 駿  「戦争によって女性は解放された」という言説に、どの程度、賛成・反対?

        多くの質問にご返信ありがとうございます。キックオフミーティング内の資料、見させていただきました。問いの構造化について学びつつ、武井先生の資料の精選、配列について理解したいと思います。また、KCJの良さというものを活かした授業案、「目標」の達成に向けた効果的な「方法」についても、一層学んでいきたいと思うようになりました。

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        2023/08/30 at 7:53 am
  • 投稿者:実 佐野  「戦争によって女性は解放された」という言説に、どの程度、賛成・反対?

    はじまして。国士舘大学の佐野実と申します。
    現在社会科の教職課程を担当しており、高大連携について理解を深める必要を感じ、つい先日に入会させて頂きました。見当違いのコメントをしておりましたら、どうかお許しください。
    私が担当する過程の受講生の多くは、歴史と現在の関係性をあまり意識できておりません。(社会科の教員を志望しておきながらという話ではございますが・・・・・・)
    先生のこちらの教材は、ジェンダーという今日の重要な論点が、過去と密接に関係していることを理解させる上でとても魅力的なものに思われました。教職課程の講義で、使わせて頂こうかと思います。
    高大連携についてはまだ良く分からず、質問ではなく感想に留まることをどうかお許しください。
    もし可能でしたら、実際にこちらをつかって講義された際のお気づきなど、ご教示賜れましたら幸いに存じます。

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    2023/08/31 at 12:03 pm
    • 投稿者:武井 寛太  「戦争によって女性は解放された」という言説に、どの程度、賛成・反対?

      コメントありがとうございます。是非「武井先生からのメッセージ」に記された授業目標論とともにご利用して頂けますと幸いです。
      本授業実践は、講義ではなく、学習科学者の三宅なほみが開発した知識構成型ジグソー法という授業手法を用いています。同手法は、複数人の対話のやり取りによって自分の理解の適用範囲が広がること、すなわち理解深化を目的として授業手法であり、単に「話し合いをさせる」ことを目的とした協同学習とは異なります。授業前のアンケートや導入の問い「女性は解放されたか」の回答で、生徒は性差の解放がどのようなものであるかを自覚することができます。エキスパート活動では、3つにわかれた資料でそれぞれ学びながら性差別や生徒自身のアンケート結果に表れるジェンダー観を認識します。ジグソー活動ではそれぞれの資料を持つ3人1組で班をつくり「女性は解放されたか」という問いを対話によって考える中で、自身のジェンダー観それ自体を吟味・検証する機会を得ます。こうして、自らの素朴理論や経験則(ここでいうジェンダー観)を科学的な概念(本授業では法が整備されても差別意識が残れば性差別は残り続けるし、逆にその意識が法制度の整備にもつながる)へと変化させることができると考えています。
      歴史授業における知識構成型ジグソー法については、拙稿「概念的理解の習得をめざす知識構成型ジグソー法 ー 構成主義と「指導と評価の一体化」」(『山川歴史PRESS』No.12,2023,https://www.yamakawa.co.jp/yhp)と、星瑞希「生徒の学びから歴史教育における知識構成型ジグゾー法を評価する 」(第8回 高大連携歴史教育研究会大会 2022年7月31日,https://researchmap.jp/mizukihoshi/presentations/39367173)を参考にして下さると幸いです。
      生徒はおおむね授業者の想定通り深く学ぶ様子がありました。もちろんアンケート結果から「自分たちが差別する側」であることを突きつけられているため葛藤する様子も見られました(なお形成的評価こそすれど評定には一切組み込まないことを全授業通して伝えています)。具体的な成果物が必要である場合は、武井にまで直接連絡頂ければご対応致します。

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      2023/08/31 at 12:33 pm
      • 投稿者:実 佐野  「戦争によって女性は解放された」という言説に、どの程度、賛成・反対?

        大変ご丁寧なお返事を賜り、感激しております。
        出張のため、確認が遅れましたこと、なにとぞお許しください。
        ジグソー法についてはいろいろ所で目にしてはいたものの、正直良く分かっておりませんでした。まずはこうした、社会科教育の方法に関する概念を理解すへきと痛感いたしました。
        重ねてあつく御礼申し上げます。とても勉強になりました。玉稿もご案内頂きましたURLから探し、拝読したく存じます。
        今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。

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        2023/09/06 at 2:06 pm
  • 投稿者:山川 志保  市民革命は社会に何を提起したのだろうか、またそこで示されたものは、今の私たちの社会で達成されているのだろうか?

    1 問いを表現するの年号に誤植があります。印紙法は1865年ではなく1765年の間違いですのでご訂正をお願いします。
    3市民革命〜の方に関しては、年表の部分を訂正しました。連合規約は連合政府の力が「弱い」です。

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    2023/09/06 at 8:33 pm
  • 投稿者:武井 寛太  帝国主義とメディアの関係

    「対話型論証モデル」のご実践の紹介ありがとうございます。
    実際、生徒は主張・根拠(データ)・論拠という三角ロジックの部分をどのような思考過程を経て記述したのか気になりました。共有できる範囲で教えて下さると幸いです。

    以下、高大研第二部会の教材共有サイトでも目標論をベースとした「授業理論」を語る言論空間を作りたいという思いを踏まえて、このコメントを読む会員にも発信する意味を含めて、私の関心を述べさせて頂きます。
    私自身の課題ではあるのですが、生徒に論理的な対話をさせる実践をしておらず、主張・根拠・論拠がいつも散らかってしまっているような状態にあります。それが生徒の分かり方の現実……と妥協している点もあるのですが、もう一歩、学びを高度化させたいと考えており、松下佳代の「対話型論証モデル」が関心にヒットしました。
    ただ、このモデルは、学習科学とは異なり「生徒はどのように学ぶか」という実証から生まれたものではなく、「身に付けさせたい汎用的資質能力は何か」という目標論から具体化されたものであり、ゆえに「生徒ができるようになる」ことを保証する手法ではありません。どうすれば「生徒は主張・根拠・論拠を説明することができるようになるのか」、そのための手立ては何か、を考えていきたいと思っています。
    ここで、落水先生の教材を拝見いたしますと、おそらく
    主張A「メディアは帝国主義を正当化した」B「メディアは帝国主義を批判した」
    事実A「正当化の資料=プロパガンダ」B「批判する資料」
    という関係になるのかと思うのですが、
    論拠(根拠が妥当であることの説明)は、メディアがどれほど自国の国民のプロパガンダとして機能したか、メディアはどの程度政府の非人道的な政策を牽制したか、を挙げると説明になるのかなと思いました。資料をもとにこれらの論拠を証明することも可能ですが、授業者もそれを集めることは難しいので、A「帝国主義による支配は20世紀になっても続いており、大衆化の時代にはプロパガンダは強く機能した」とか、B「インターナショナルが結成されたり、第一次世界大戦後には植民地とはもはや呼べず『委任統治領』として表現せざるを得ないほど非人道的な政策は正当化できないものへと変わっていった」といった教科書ベースの知識から論拠を上げることができそうだと思いました。
    一方で、いずれにせよ「論拠」の示し方はかなり高度だとも思います。私が挙げた論拠も論理的か自信もないです。
    以上が私の関心と問題意識です。この観点から、冒頭の問い「実際、生徒は主張・根拠(データ)・論拠という三角ロジックの部分をどのような思考過程を経て記述したのか」についてお答えいただけますと幸いです。

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    2023/09/29 at 11:29 am
    • 投稿者:落水裕大 (OCHIMIZU Yudai)  帝国主義とメディアの関係

      武井先生、コメントありがとうございます。

      武井先生からのご質問「実際、生徒は主張・根拠(データ)・論拠という三角ロジックの部分をどのような思考過程を経て記述したのか」につきましては、事情により回答に少し時間を要します。今しばらくお待ちください(もしお答えできなかったらすみません)。

      ただ、一つ言えることは、論拠を教科書ベースの知識から拾い上げる生徒はごく少数であり、事実(データ)の史料の部分から主張と結びつけるための論拠を生徒なりに考察していたような感じがします。半年以上前の実践になりますので、微かな記憶を頼りに、今、文章を書いています(間違っていたらすみません)。

      如何せん、データや主張の部分は比較的すぐに書けるのですが、論拠の部分は非常に悪戦苦闘していたような気がします。この辺りは松下先生も指摘されていたことと思います。

      ただ、実はこの実践を行う前に、アヘン戦争のところでも対話型論証を用いた授業を行なっており、その時に比べると比較的、論拠は書けていたかと思います(私の感覚になってしまうのですが)。

      以上、回答になっているかどうかわかりませんが、私からの回答とさせてください。

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      2023/09/29 at 5:22 pm
  • 投稿者:寺前 駿  日露戦争後の日本はアジアのリーダーなのか?

    和歌山県立和歌山北高等学校の寺前駿です。山本先生の教材、大変興味深く拝見しました。特に、近代の日本のアジアでの位置付けという歴史的な内容から、生徒たちが集団の中で協調し成長してほしいという考えのもとに作られたというところに特徴を感じました。
     そこでいくつか質問があります。1つ目は、なぜディベートの形式を採用したのでしょうか。また、このディベートでの生徒の様子、資料など根拠をもとに論理的に発言出来ていたか等もお伝えできる範囲でお願いします。
     2つ目は、ディベートの性質上、生徒の立場が固定されますが、最後のフォームズで提出する生徒自身の考え、今回であれば「日本はアジアのリーダーなのか?」とのズレはありましたでしょうか。例えば、「日本はアジアのリーダーである。」の資料の方を読み取った生徒の方が、自身の考えとしても「日本はアジアのリーダーである。」になる傾向があったなどのことが分かれば教えてください。一方、「日本はアジアのリーダーではない。」との資料を読み取った生徒が、この考え方もわかるが私の考え方とは違うといった場合もあったのでしょうか。また、生徒自身の考えで「日本はアジアのリーダーである。」との意見を資料1,2を根拠にすると、帝国主義的な思想を肯定する内容になる可能性がある気がするのですが、そのような生徒はいましたでしょうか。また、そのような生徒に対して、どのような対応をされたかのでしょうか。
     多くの質問をしてしまい申し訳ございません。ただ、私とほぼ同世代の先生が、意欲的に授業作りをされている姿勢をみて、私も生徒が考え自らの意見を形成するような授業を作りたいとの思いが更に強まりました。ありがとうございました。

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    2023/10/03 at 7:49 am
  • 投稿者:小林克史  大衆化の時代

    神奈川県立厚木清南高等学校の小林と申します。「問いを作る」ことはやってこなかったので、新鮮でした。問いを作るのは非常に難しいと思っていたのですが、問いを作るためのステップが、これならうちの生徒もできるのでは、と思えたのが大収穫でした。ありがとうございました。以前、他の学校で自習課題として「教科書で大事だと思う単語を書き出し、その説明も書きなさい」というものをやりましたが、なぜ大事だと思ったのかを書かせれば、もっと良かったと思いました。

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    2023/10/03 at 7:22 pm
    • 投稿者:千葉響  大衆化の時代

      小林先生
      コメントありがとうございます。
      この実践のミソは大谷翔平が目標設定で使用しているマンダラチャートを応用しています。マンダラが一年間取り組むと大きく一つ出来上がり、それ自体学習履歴の確認になりますし、成果物になります。中央に概念用語を入れ、周りに関連用語を配する形で用語を選定出来るかが鍵になっています。例えば真ん中に大衆化と入れた場合、周りに入るのはそれに関係する語を配することになります。この単元が第二部だとすると、第一部の近代化では真ん中を入れてあげて考えさせるのも一つ手かもしれません。また、大衆化について論じるレポートを総括課題で出したい場合にもビンゴーは効力を発します。ビンゴーの用語9つを使用して大衆化を説明させるなど、さまざまな展開に使用できるのではと考えています。レベルを引き上げる場合は9マスではなく、15マスにするのも手かもしれません。さまざまな展開が考えられ、まだまだこれから可能性を探っていきたいと考えています。

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      2023/10/03 at 8:03 pm
  • 投稿者:堀井 弘一郎  日露戦争後の日本はアジアのリーダーなのか?

    わかりやすい資料を活用したプリントと独自の授業スタイル、大いに参考になりました。ありがとうございました。

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    2023/10/05 at 8:56 am
  • 投稿者:濵野 優貴  日本の占領統治と「民主的」改革は、 新たな国際秩序ではどう位置づけられていたか?

    いつも参考にしております。
    滋賀県立彦根東高等学校の濵野です。
    資料♥は、「ソ連が、日本の占領統治をアメリカが主導しソ連が影響力を発揮できなかったことに反発して、民族自決の原則を尊重せず、中東欧での影響力拡大を図った」といった文脈だと理解しました。
    このあたりの歴史にあまり詳しくない故かもしれませんが、中東欧の大衆が実際にソ連との協力関係を望んでいたとは言えないのでしょうか?
    中東欧の人々自身が、自分たちをナチスから「解放」してくれたソ連との協力を望んでいた場合、その時点において、ソ連との協力を強化することは、民族自決の結果とはいえないだろうか?と思いました。

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    2023/12/02 at 3:50 pm
    • 投稿者:佐伯 佳祐  日本の占領統治と「民主的」改革は、 新たな国際秩序ではどう位置づけられていたか?

      お世話になっております。

      返信が遅くなり申し訳ございません。
      ご指摘の部分の記述は、ペーター・ガイス・ギョーム・ル・カントレック監修/福井憲彦・近藤孝弘監訳『世界の教科書シリーズ23 ドイツ・フランス共通歴史教科書 1945年以降のヨーロッパと世界』のp48本文記述を参考に作成したものです。

      以下、本文を引用します。
      「中欧・東欧に広がるソ連の影響力
      戦争が最終的な局面を迎えるころになると、ソ連は民族自決権を尊重する意思のないことをはっきりと表すようになった。しかし民族自決こそ、西側諸国が主張していた原理であった。こうして1944年夏、スターリンは、ソ連の影響下に樹立された共産党政府「ポーランド国民解放委員会」(別名「ルブリン委員会」)を、ポーランド唯一の政権として認め、ロンドンに亡命していた正当な民主主義政府の帰還を拒否した。
       戦後になるとソ連指導部は、ソ連の影響下に置かれていた国々に、共産主義者が支配する政府を次々に樹立していった。そうした国々とソ連のつながりは、二国間同盟条約によって、また各国共産党とソ連共産党との密接な関係によって確固としたものになった。」

      また、山川出版社『詳説世界史研究』p511には次のようにあります。
      「戦後東欧では、大戦末期に形成された対独抵抗組織の統一戦線が権力を握り、共産党・社会民主党・農民党・ブルジョワ政党などによる連立政権が誕生した。これらの政権のもとで、徹底した農地改革による地主制の一掃と大工業の国有化が行われた。しかし、冷戦の本格化とともにソ連の後押しをうけた共産党が勢力を伸ばし、ポーランドでは1947年の総選挙で露骨な選挙干渉が行われ、ポーランド労働者党(共産党)が大勝した。
       こうして、1947年末までにチェコスロバキアを除いてポーランド・ハンガリー・ルーマニア・ブルガリア・ユーゴスラヴィア・アルバニアでは、人民民主主義の名のもとに事実上共産党一党独裁体制が敷かれた。以後、冷戦の進行のなかで各国の歴史的発展や深刻な民族問題を無視して、ソ連型の中央統制的計画経済による工業化と農業の集団化が強行された。選挙や議会は全く形式的なものとなり、各国共産党の指導者にはソ連の以降に従順な人物が配置された。」

      これらから、共産主義やソ連との協力を望む人も各国にはいた(しかしそれは東欧に限らずどの国にもいた)けれども、そのような一部の勢力を足掛かりに利用することで「民族自決」風の体裁を繕って、実際にはソ連がソ連にとって都合の良い政権を強行的に作らせていった、という理解をしております。

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      2024/01/10 at 3:01 pm
  • 投稿者:小林克佳  工業化の進展は私たちの生活を豊かにしたんじゃなかったの?

    千葉県公立高校に勤務している小林と申します。
    プリント内で引用されている『本当の貧困の話をしよう』は大変良い資料だと思うのですが、「7人に1人」という具体的な数字であったり、「ひとり親世帯では、2 世帯に 1 世帯が貧困」という語が出てきたりと、直接的な表現がされています。

    教室内でも該当する生徒はいるかと思いますが、この資料の使用にあたって、例えば事前にひとり親世帯の生徒に話をしておくなど、事前に準備したことはありますか?私の授業でも使用したいのですが、生徒を傷つけてしまわないか不安な面があります。また、授業後に生徒からどのような反応があったでしょうか。お聞かせいただけると幸いです。

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    2023/12/20 at 12:11 pm
    • 投稿者:野々山 新  工業化の進展は私たちの生活を豊かにしたんじゃなかったの?

      ご質問ありがとうございます。導入として利用した引用資料に共感していただき、嬉しく思います。この資料を引用した意図は、先生がご懸念なさっているこれまでのタブーともされている家庭環境など生徒たちの私的領域に踏み込みうるような状況に対して、真摯に向き合っていく必要があると挑戦することを目指した点にあります。校内にも存在する社会的問題を不可視化することは、解決にはつながらないと思うためです。
       ご質問の点については、事前に生徒への配慮は行っておりません。それどころか、7分の1という割合からも「校内にも、このクラスにも存在するはずである」とすら伝えています。しかし、この問題は貧困を生産する社会的構造に原因の一つがあるのだという点にこそ強調をし、その歴史的経緯を共に学んでいき、解決に向けた展望を抱こうとする単元構成を取ったつもりであります。こうした目標が達成できそうかどうか、単元全体を踏まえてご批判いただけると大変嬉しく思います。
       授業後の生徒からの反応というご質問については、単元最後のパフォーマンス課題に対する生徒の主張の一端をお伝えしてみようと思います。量的に傾向を精緻に分析したわけではないのですが、格差や貧困の問題が歴史的に構築されてきたこと、その解決は目指されてきたものの今でも苦しむ人々が存在すること、解決に向けた展望として社会的な支援が必要であることを指摘する生徒が多かったのです。年度当初の単元なので粗削りではありますが、私としては「ケア」の視点に立脚している表現や、構造的暴力の存在に気付く萌芽が見られていて、指導要領が例示する「平等・格差」の問題を生徒とともに考えることができたのかなと感じていたところでした。もしかしたら1時間目の時点では苦しい思いをした生徒がいたかもしれません。この点は聞き取りをしていないのでわかりません。ただ、単元全体を通して見ると、直視したからこそ共に生きるために悩み、共感し、葛藤することにつながっていったのではないかと思っています。この点は、信念に近いところがありますので、ぜひご批判ください。これからもご指導いただけますと幸いです。

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      2023/12/24 at 11:22 am
  • 投稿者:濵野 優貴  あなたは、「歴史を見ないで楽しいところだけを見るのは文化の消費だ」という意見に対して、どの程度、同意しますか?

    滋賀県立彦根東高等学校の濵野です。興味深く拝読しました。
    立命館守山は私自身の母校でもあり、同一県内にこのような実践をされている方がおられると知って、いっそう刺激を受けました。
    滋賀歴史教育者協議会の会員なのですが、例会でご報告をご検討いただけませんか?
    私自身がお話をお伺いしたいのとともに、ほかの会員も勉強になると思います。
    もしよければご検討ください。

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    2023/12/27 at 11:41 pm
  • 投稿者:濵野 優貴  核兵器はなぜなくならないのか?

    5ページ目の「右の風刺画は、このころの日本の国際状況を表しているように思われます(近藤日出造作)。この絵には題名がありますが、ここまでの学習をふまえて、この絵にあなたのオリジナルの題名をつけてみましょう。 (思考・判断・表現)」の風刺画の原典について知りたいのですが、公式のタイトルは何でしょうか?
    風刺画そのものを画像検索しても見つかりませんでした。

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    2024/01/09 at 2:46 pm
  • 投稿者:粟屋 祐作  東アジアと中央ユーラシア

    永福永伍先生
    素晴らしい教材を拝見いたしました。
    ぜひ参考にさせていただきます。

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    2024/02/03 at 9:41 am
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