「国民」とは、どんな人々を指しているだろうか。「国民」を自分なりに定義してみよう!

教材のねらい

湘南学園高等学校の山根友樹先生からの提供です。

山根先生からのメッセージ

 歴史総合の授業、欧米諸国における「近代化」を概観する単元で、「国民」という概念を資料の読み解きを通じて生徒たち自身が自らの言葉で定義することを目指した授業です。先行する高大研の西岡実践武井実践に大きく学んでおります。

 資料は近代フランスに絞り込み、共通の敵意識の発露としての「ラ=マルセイエーズ」、また「国民」の”象徴”としての国歌や国旗、「国語」、義務教育における「国民」の育成、そうした中で生まれてきた「統合と排除」に関する資料を盛り込んでいます。

 全体として「われわれ」と「それ以外」という意識の形成が「国民」概念を考える上で重要である、ということがわかるように資料を選定し、教材として構築しました。また、この学習では知識構成型ジグソー法を用いています。

 なお、単元の導入でフランス革命政府がとった言語政策に関する資料を用いて質問づくりをさせています。生徒たちの記述を見ますと、彼らのキャパシティや学力層をふまえても、概ねこちらがねらいとするラインは達成できたと思われます。しかしながら、「国民」という近代的概念の複雑さや多義性などを踏まえると、教師側にもう一歩踏み込んだ理解と教材準備の必要性があったことは否めません。

参考文献

  • 帝国書院『明解 歴史総合』
  • 山川出版『現代の歴史総合 みる・読みとく・考える』
  • 谷川稔(1999) 『世界史リブレット 35 国民国家とナショナリズム』山川出版
  • 福井憲彦 (2017) 『興亡の世界史 近代ヨーロッパの覇権』講談社

*本教材は教材共有サイト(旧サイト)に2022年7月14日にアップロードされた教材と同じものです。

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