明治維新と文明開化

教材のねらい

佼成学園女子中学高等学校の高野晃多先生からの提供です。

高野先生からのメッセージ

 今年度高校3年生日本史演習(日本史B・日本文化史)で5月に行った「音楽×日本史」をコンセプトにした授業です。まず年間学習の動機づけとして、映画『この世界の片隅に』を視聴した上で、その内容を基に戦前・戦時中・戦後の文化・生活に関するテーマを生徒一人一人が設定し、各自でプレゼンを行いました。
 そのなかで、戦前・戦時中の教育や子どもたちに興味を持った生徒が多かったため、アジア太平洋戦争中の戦争推進教育映画『戦ふ少国民』(https://www.youtube.com/watch?v=ucbdkc3o8z4)を視聴させ、率直な感想を書いてもらいました。

 さらにその背景を理解するため、文明開化のもと進んだ帝国「臣民」化を理解してもらうべくこの授業を行いました。
 個人的には、本質は同じでも、明治維新下での帝国「臣民」化が即座に『戦う少国民』のような極端な状況を招いたわけではないことを生徒に考えてもらわなければいけないので、戦前日本の政治・戦争が日本の教育にいかに影響を与え、これを変容させていったのか、その経年変化を追えるような授業を続編として行う予定です。
 反省点としては、文明開化に関する帝国「臣民」化を考える各エキスパート資料が天皇制に引っ張られ過ぎた感がある点です。一般庶民の生活の西洋化がわかる資料等があると、良かったかもしれません。文化史の授業として、文化が政治の影響をいかに受けたのかを理解してもらいたかったので塩梅が難しかったです。
 そのため、2学期以降の歴史総合でこの授業の改訂版を実践する際は、文化史という枠から自由になるので、さらに高1の実態に合うように改良を加えていきたいです。

参考文献・資料

  • 【教科書・資料集】
    ・山川出版社『改訂版 詳説日本史B』
    ・山川出版社『詳説日本史図録 第7版』
  • 【参考文献・出典】
    ・大日方純夫『唱歌「蛍の光」と帝国日本』(吉川弘文館、2022 年)
    ・帝国書院『明解 歴史総合』
    ・学び舎『ともに学ぶ 人間の歴史』
    ・山川出版社『詳説日本史図録 第7版』
    ・帝国書院『最新世界史図録タペストリー 18改版』
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