「主権国家体制」の起源と現在の国際紛争

教材のねらい

岐阜県立岐阜高等学校の井上智也先生からの提供です。

井上先生からのメッセージ

単元を貫く問い:歴史的な分析を踏まえると、現在の「欧米×中国・ロシア」の対立の原因をどのように考え直すことができるだろうか?

*中単元(中項目)全体の目標として、以下の2点を想定しています。
 ・「主権国家体制」と欧米中心の「世界システム」という現在の国際社会を覆いつくす構造の起源を、近世アジアの諸帝国の構造と対比して、史資料の読解を通して理解する。
 ・現代の国際紛争や文化・文明の衝突といった課題解決のために、歴史的な社会の構造分析はどのような意義があるか考え、表現することができる。

*小単元(小項目)実施計画…計6~8時間
 1 ルネサンス・人文主義(14~16C)…Q:西欧ルネサンスは「人間中心」だろうか?
 2 宗教改革と「宗派化」「世俗化」…Q:宗教対立を解消する試みをどう評価するか?
 3 「主権国家体制」と現代的諸課題…Q:ヨーロッパ起源の「主権国家体制」とアジアの伝統的「帝国」の違いは、現在の国際紛争とその解決の試みに、どんな難題を突き付けている?
 4 蘭・英・仏の台頭、西欧海洋帝国の発端…Q:大西洋三角貿易によって生まれた「世界システム」は、どんな問題の発端となったか?
 5 北東欧の動向…Q:「世界システム」において、北東欧はどんな位置づけになったか?
 6 科学革命・啓蒙思想(17C~18C)…Q:「科学・啓蒙」は「西欧」の「理性」の産物か?

*本教材3の問題点として、「東方正教の多民族帝国としての近世・近代ロシア」を扱えていないことが挙げられる。上記5の小単元において、三浦清美、池田嘉郎らの著作を資料として取り上げたい。

参考文献・資料

  • 教科書(2022)『詳説 世界史探究』山川出版社。
  • 岡本隆司ほか編(2022)『国際平和を歴史的に考える』山川出版社。
  • 津野田興一(2013)『やりなおし高校世界史』ちくま新書。
  • 資料1:岡本隆司ほか編(2022)『国際平和を歴史的に考える』山川出版社、12~57頁。
  • 資料2:津野田興一(2013)『やりなおし高校世界史』ちくま新書、222~259頁。
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