「日本の産業革命は短期間で達成された!近代化によって発展してスゴい!」って歴史の語りで良いの?

教材のねらい

埼玉県立与野高等学校の武井寛太先生からの提供です。

武井先生からのメッセージ

 山川出版『現代の歴史総合』では、「日本の産業革命が…きわめて短期間で達成されたのはなぜだろうか?」という問いが見出しになっていますが、この問いのままだと、「日本スゴい」言説に回収されるだけだと感じ、問いを表題の通りにしました。このMQ(メインクエスチョン)を深堀するために4W1Hで整理し、日本の綿紡績が輸入代替工業化であり、それが1890年代であったことをグラフから読み取らせるとともに、「何故その時期なのか」を問いかけ、複数資料から大阪の紡績業とボンベイ航路に着目させました。そのうえで日本産綿糸が国際競争力を持った理由が女性の低賃金によるコスト削減であったことを読み取らせ、日本の産業革命には女性差別が前提となっていたことに気付かせます。さらに「スゴい」の裏返しとして「他は劣る」ことが含意されると伝えたうえで、アジア間貿易でのアジアの発展を紹介することで、「植民地支配を受けなかった日本はスゴいが、インドや東南アジアは植民地支配を受け可哀想で受け身の存在であった」という歴史認識からの脱却を試みました。

*本教材は教材共有サイト(旧サイト)に2022年6月20日にアップロードされた教材と同じものです。

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