日宋貿易と硫黄

教材のねらい

福岡大学大濠高等学校の吉永暢夫先生からの提供です。

吉永先生からのメッセージ

前回の授業案では、福岡からみる世界史と題して、まず、中世都市博多がどのような都市構造を持ち、博多湾内の各地域がどのように相互補完的な役割を果たしていたのか、近年の歴史学研究に学びながら、教材化しました。
今回は、中世博多と東アジアの連関について考察する授業を目指して、硫黄という貿易品に着目した授業を試みたいと思います。
近年、博多遺跡群から中世の港湾施設が発見され、そこから中国の陶磁器などとともに硫黄がみつかりました。
硫黄は日宋貿易の最も重要な輸出品の一つであったことは、すでに山内晋次氏の研究について指摘されています。
この硫黄がどこで産出され、どのような背景で、宋代の中国に大量に輸出されたのかを、文字史料を用いて考察させたいと思います。
硫黄からみた世界史の教材は、すでに野々山新先生が本教材データベース世界史B「大宰府は世界史を変えたのか?」をアップされています。
今回は、この教材も参考にさせていただき、硫黄の流通経路を生徒に推測させ、博多がどのように世界史に結びついていたかを考えたいと思います。

参考文献・資料

  • 山内晋次「平氏と日宋貿易 通説的歴史像への疑問」神戸女子大学古典芸能研究センター紀要,2012年
  • 山内晋次『日宋貿易と「硫黄の道」』(日本史リブレット)山川出版社,2022年
  • 山内晋次「硫黄流通史研究から「アジア史」「世界史」は描けるか?」史學研究 第318號,2024年
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