私たちは歴史とどのように向き合うべきなのだろうか。
教材のねらい
神奈川県立横浜翠嵐高等学校の八本侑士先生からの提供です。
八本先生からのメッセージ
昨年度(2022年度)に横浜翠嵐の理系に向けて行った最後の授業です。
初回のガイダンス時に示した目標(歴史を学ぶ意義を考える)の深化を目標にしたものです。
『明解 世界史A』帝国書院/『タペストリー』帝国書院を使用しています。
【授業形態】
冊子形式で配付しています。授業の流れは以下の通りになっています。
①(冊子後ろの)問について話す。→これは単元を貫く大きな問いになっています。
②小単元ごとの問について話す。
③小単元ごとの問に関連する資料を読みます。
④考えたことなどを共有する
⑤ストーリーを意識した講義型授業(ところどころ史資料を読む問題を入れています)
⑥冊子が終了したら、formで大単元の問を回答させています。
【本時の展開】
日本の歴史の向き合い方と比較されるドイツの歴史教育を題材に歴史に生きる当事者として歴史とどう向き合うか、また、自分自身とどう向き合うかを考えてもらいたい。以下の順番で資料等を用いながら授業を行いました。
①ドイツが歩んだ負の歴史について学ぶ。
ナチス政権下のドイツで行われた事実について、ユダヤ人たちをどのように認識していたのかを紹介。
②ユダヤ人たちへの迫害とはいかなるものだったのかを考える。
実際にダッハウに行った際に撮りためた写真等を紹介するとともにダッハウのパンフレット等を使いました。
➂負の歴史にたいして戦後50年後のドイツ人たちの認識とはどのようなものか読み解く。
「過去の克服」に関する調査から読み取れることは何かを考える。
④なぜ50年後のドイツ人たちは過去のことを語ることをやめたほうがいいと言えたのか考える。
⑤ヴァイツゼッガーの演説からドイツ人たちの歴史への向き合い方を考え、自国の歴史認識についてとらえなおし、自分自身の過去ともどう向き合うのかを考える。
参考文献・資料
- 『明解 世界史A』帝国書院
- 『タペストリー』帝国書院
- 『図説 ドイツの歴史(ふくろうの本)河出書房新社』
- 『「なぜ⁉」からはじめる世界史』津野田興一著
- 『荒れ野の40年』ヴァイツゼッガー著
- 『世界史史料10-20世紀の世界Ⅰふたつの世界大戦-』
- 『夜と霧』フランクル著
- ダッハウ強制収容所で購入した書籍・写真集