日本文化のあけぼの

教材のねらい

長野県飯田高等学校の大房信幸先生からの提供です。

大房先生からのメッセージ

単元を貫く問い:稲作の始まりにより、人々はどの程度「幸せ」になったのか

 今年度の歴史総合の授業の「近代化と現代的な諸課題」でイギリス統治下のインドでマラリアが流行した理由、それに対するイギリスなどの対応を考察させる授業を行った。授業の最後に「「開発」を進める上で大切なことは?」という問いを考察させた所、主たる回答の方向性として、①もともとその場所に住んでいる人の生活・意見を尊重すること、②開発にはリスクがあることを知っておくことの2点があがってきた。
 この授業を通し、「開発」という概念を多面的・多角的に考察させることはある程度できたが、授業の際に生徒に示した今後まったく開発をせずに人類が生活することは恐らく不可能という指摘が恐らく内包している開発=進歩・発展といった認識もとらえなおす機会も必要なのではと考えるようになった。
 その為、稲作(農耕)という「開発」を伴う生業の始まりとそれによる変化により着目させることができる単元の問いを設定した上で、弥生時代に日本列島の広範囲に広まった稲作を行わなかった場所(北海道と沖縄)と一早く始めた場所(西日本)に注目し、それぞれの選択の理由とそこから見出すことができる共通点とを考えさせる授業、稲作の始まりが人々に与えた影響を中学校までよりも多面的的な視点から考察させる授業を単元の中に組み入れることにした。

参考文献・資料

  • No.1
     問1 山川出版社『改訂版詳説日本史B』9頁 
     問3 第一学習社『最新日本史図表三訂版』11頁
  • No.2
     問1 第一学習社『最新日本史図表』40頁
     問2 実教出版『日本史探究』15~16頁
     問3 同上
  • No.3
     問1 帝国書院『図説日本史通覧』27頁
     問2 同上29頁【資料1】
        同上27頁【資料2】
        第一学習社『最新日本史図表』44頁
     問5 松木武彦『はじめての考古学』106頁【土偶】
        土屋武志編『実践から学ぶ解釈型歴史学習』64頁より授業者作成【人口】
  • No.4
     問1 帝国書院『図説日本史通覧』30頁【地図】
        実教出版『日本史探究』20頁【文章】
     問3 高瀬克範「続縄文文化の発達」【資料1】
        第一学習社『高等学校日本史探究』22頁【資料2】
     問4 高木久史『戦国日本の生態系』70頁
  • No.5
     問1 帝国書院『図説日本史通覧』30頁
     問2 土屋武志編『実践から学ぶ解釈型歴史学習』64頁より授業者作成
     問4 帝国書院『図説日本史通覧』32頁
     問7 飯島渉『感染症と私たちの歴史・これから』21頁
     問8 松木武彦『はじめての考古学』125頁
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単元に含まれる教材

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