日本による朝鮮への植民地支配を考える
教材のねらい
佼成学園女子中学高等学校の高野晃多先生からの提供です。
高野先生からのメッセージ
以前、旧サイトにアップした教材の改訂版になります。昨年度日本史Aで実践した教材を、世界史Bで実施するに当たりつくり直しました。
反省点としては、やはりエキスパート資料のうち資料Aが比較的難しく、日本の土地政策の結果、朝鮮から日本に移り住む朝鮮人移民が増えたことを示す資料が余計だったという点です。関東大震災後の朝鮮人虐殺につながる重要なポイントかと思いましたが、朝鮮への植民地支配のあり方を考える際には生徒の思考のノイズになってしまったようです。改めて、別の授業で扱った方が良いと思いました。
ただ、昨年度日本史Aとして授業をしたクラスより、今回実施したのは学力差があるクラスでしたが、各エキスパート資料を考える際の課題を以前より簡略化したことで、植民地近代化論と植民地近代性論の対立をよく読み解いてくれたかと思います。因みに、帝国書院『世界史探究』の教科書には、その二つの研究潮流の見取図が載っていたので参考になりそうでした。ぜひご意見ご批判いただけますと幸いです。
参考文献
- 『ともに学ぶ人間の歴史』(学び舎、2018年)。
- 『新詳日本史』(浜島書店、2021年)。
- 朝鮮総督府編『朝鮮総督府年報』。
- 三橋広夫『世界の教科書シリーズ13 韓国の中学校歴史教科書-中学校国定歴史』(明石書店、2005年)。
- 趙景達『植民地朝鮮と日本』(岩波書店、2013年)。
- 木村光彦『日本統治下の朝鮮-統計と実証研究は何を語るか』(中央公論社、電子書籍版、2019年)。
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