オリンピックから古代ギリシア史を考える。

教材のねらい

都立八王子拓真高等学校の加藤隆浩先生からの提供です。

加藤先生からのメッセージ

都立八王子拓真高等学校(昼夜間定時制)における授業実践である。
本実践では,受験対策に偏することなく,多様なテーマを通して世界史を多面的・多角的に捉え直し,社会的事象の意味を主体的に問い直すことを目的としている。

本時では,古代オリンピックと現代オリンピックを比較することを通して,その開催目的の変遷を理解するとともに,人間が追い求めるべき価値とは何かを探究する学習を構想した。協働的な学習に不安を抱える生徒や,学習方法に戸惑いを感じている生徒も多いが,資料を基に根拠をもって考察し,他者との対話を通して自らの考えを形成しようとする姿が見られた。世界史だけではなく勉強に対する嫌厭傾向の打破へつなげていきたい。

<授業の流れ>
・オリンピックについて知っていることの共有(素朴概念の把握と学習の土台形成)
・古代オリンピックの目的の理解(資料読解を通した古代ギリシアの文化・宗教観の把握)
・古代オリンピックにおける目的の変化(ポリスの成熟との関連付け)
・現代オリンピックの目的の検討(経済的側面や感動の創出に加え,政治的理念との関係の考察)
・人間が追い求めるべき価値の探究(『ソクラテスの弁明』を手がかりとした思考の深化)

本時の学習は,歴史的事象を単に知識として理解するにとどまらず,その背景にある価値や意味を問い直すことを通して,社会的事象を歴史的文脈の中で捉えるとともに,現代的課題と関連付けて考察する力の育成を目指すものである。特に,資料を根拠として考察し,多様な立場や価値観を踏まえて判断する過程を重視することで,地理歴史科における「社会的な見方・考え方」を働かせることを意図している。また,現代社会においては,SNSの発達や利得を優先する価値観の広がりの中で,人間が追求すべき価値の在り方が揺らいでいる。本実践は,今後の社会の形成者となる高校生に対し,ソクラテスが提示した「よりよく生きること」の意味を問い直し,他者との関わりの中で自己の在り方を省察しながら,よりよい社会の形成に主体的に関わろうとする態度の育成を目的としている。
なお,『ソクラテスの弁明』および古代ギリシア史に関する内容については,本校の生徒の実態に即して理解を促すため,授業者による一定の再構成を加えている。

参考文献・資料

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