執権による政治-鎌倉時代で力を持っていた者はだれか?―

教材のねらい

栃木県立宇都宮中央高校の阿久津祐一先生からの提供です。

阿久津先生からのメッセージ

単元を貫く問い:人々の不満や不安は鎌倉時代の社会にどのような影響を与えたのか?

・鎌倉時代の政治状況や経済状況に変化が生じた理由のひとつとして今回は飢饉を取り上げプリントを作成した。
 まず養和の飢饉について探究することによって、平氏政権が崩壊していくことを資料を読み解き考える。そして、飢饉による民衆の不満の矛先を考えさせ、為政者がどのような対応を取りうるかを考えさせる。既習事項を踏まえて思考させ記述させることによって、これまでの学習のつまずきを授業者は知ることができる。
 鎌倉の将軍権力が強かった期間は長くはない。北条家による執権政治の日本史的知識理解もこのプリントで図りたい。また、ビデオ教材(NHK『レキデリ』)を用いて、承久の乱の結果、鎌倉幕府の勢力範囲が拡大し院勢力が衰退したことについて学習することで、「教材の単元名」で示した鎌倉時代の権力構造を判断する一助とする。
 寛喜の飢饉は1231年ごろに発生した飢饉で北条泰時の政治判断に大きな影響を与えたことや御成敗式目の制定にも影響を与えたと言われている。これを用いて泰時の政治判断に触れ、今回のプリントをまとめ、問を表現し、現在の問題にも考える時間を設けたい。

・1枚のプリントで2授業時間(100分)を想定している。

・赤字が生徒の想定解答、青字は教材作成者の意見等をあらわしている。

参考文献・資料

  • 資料1『方丈記』より 神田秀夫ほか訳『日本の古典を読む 方丈記』(小学館,2007年pp.29-30より)、経済雑誌社編『国史大系 第5巻 吾妻鏡』(1903年)
  • 資料2「寛喜の飢饉について」国書刊行会編『吾妻鏡 : 吉川本 第1-3中卷』(1915年)p.274
  • 資料3「寛喜の飢饉について」国書刊行会編『吾妻鏡 : 吉川本 第1-3中卷』(1915年)p.383
  • 資料4「寛喜の飢饉について」『新編追加』(岡邦信「鎌倉幕府法の制定過程について」『法制史研究』1998年,p.5より)資料4
  • 授業で使う教材
    NHKレキデリ「鎌倉幕府はどうやって勢力を広げた?」
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単元に含まれる教材

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