11_「国民国家」としての統合は、工業化の必要条件・十分条件と、どの程度いえるだろうか?
教材のねらい
滋賀県立彦根東高等学校の濵野優貴先生からの提供です。
濵野先生からのメッセージ
教科書では「国民国家の創設が不可欠」という文脈で整理されているが、実際のところどうなのか?というのをテーマにしました。
ロシア:皇帝と身分制を維持しながら、多民族を包含する国家を維持しようと模索する。工業化も国民国家化も停滞。
ドイツ:ビスマルクの下で統一前は軍事のための工業化、統一後は外交で国防コストを下げ、経済成長に注力。工業化と国民国家化を実現。
イタリア:イタリア"統一"は政治・行政的にも北部サルデーニャの拡大・延長であり、南北格差が残った。工業化は地域的な偏りが根強く、国民国家化は停滞。イタリアについては、多くの生徒が他の資料よりあっさり読み解き終わっていたので、ガリバルディがサルデーニャ国王ヴィットリオ=エマヌエーレ2世に長靴を履かせる風刺画の読み解きを盛り込んでもよかったです。
生徒の感想(授業アンケート「歴史総合のこれまでの学習(プリント【7】~【15】)の学習のうち、特に印象に残っている授業と、その理由を教えてください。」への回答)
- 【11】教科書では言及があまりされていない国民国家の形成と工業化の関係性について考え、人によって意見が異なっていたから。
- 【11】のプリント 国民国家としての成り立ちが先になるのか、工業化が先になるのか、色々な国の例を取って考えるのが楽しかったから。
参考文献・資料
- 第一学習社『高等学校 歴史総合』P.62-64
- 山川出版社『歴史総合 近代から現代へ』P.50~51
- 第一学習社『高等学校 歴史総合』P.63
- 日本医師会(2008)『平成19年度 医療政策シンポジウム 脱「格差社会」と医療のあり方』P.71
- 『山川詳説世界史図録』P.186
- 北村暁夫『イタリア史10講』2019 岩波新書 p.187~190
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