06_「国民」とは、どのような人同士のことを指すのだろうか?
教材のねらい
滋賀県立彦根東高等学校の濵野優貴先生からの提供です。
濵野先生からのメッセージ
エキスパート資料は、山根さんの実践「「国民」とは、どんな人々を指しているだろうか。「国民」を自分なりに定義してみよう!」を引用したものです。
追加発問「「国民」として、人々がまとまることに、危うさはないだろうか?」
クロストークでは、
①「国民」意識(ナショナリズム)は、自然と生まれたのか? 人為的に生み出されたのか?
②「国民」意識(ナショナリズム)を高める装置として、どのようなことが機能したか?
③「国民」意識(ナショナリズム)の高まりは、どのような光と影を生み出したか?
④現代社会では、「国民」意識(ナショナリズム)を高める装置としては何があるだろう?
と各班で議論しました。
「校歌や制服、国語教育も、、」と話が広がりました。
「なぜ古典の時間に、琉球やアイヌは出てこないのか」「なぜ歴史でアテルイは反乱側なのか」と学校教育がその装置であるという考察まで発展しました。
生徒の感想(授業アンケート「歴史総合のこれまでの学習(プリント【1】~【6】)の学習のうち、特に印象に残っている授業と、その理由を教えてください。」への回答)
- プリント【6】が一番強く心に残った回だった。 俯瞰的にみるとその行動について冷静な判断が下せるが、自分にもその行動が及んでいたことを知り、日々正常に過ごせているわけではないと分かった。だから、より多角的に物事をとらえる力をつけてゆきたいと感じた。
- 【6】ナショナリズムを身近な例と結び付けて、その怖さが分かったから。
- プリント【6】 共通の敵をつくることで集団としてまとまりやすくなるうえに内政の責任転嫁もできるということで、歴史の中でナショナリズムの台頭が繰り返された理由が少し分かったような気がして面白かったです。
- プリント【6】の授業 フランス革命でフランス語の教育が行われたことと、日本が韓国に日本語教育をしたことについて、それぞれ国民であることを感じさせるために似たような政策をとったことが面白いと感じたから。
- 【6】フランスのナショナリズムの形成の仕方が自然でフランスに住む人々を危機感を抱かせずにフランス国民とさせれる凄さと怖さが一番印象に残ったから。
- 【6】の授業で、今までどの時代も国民はその国に住んでる人たちのことだと思っていたけれど背景や革命の目的、権力の位置を知ることで一部の人たちしか国民に含まれなかったことがわかったから。また、国民意識から男性は仕事、女性は家庭という意識が生まれたのはとてもおもしろいと思った。
- 【6】のフランス革命のところで、フランス革命での政策は中学の時に習った日本の政策と似ていたことに驚いたから。
- 【6】授業でナショナリズムについて学ぶことで、世の中にはたくさんのナショナリズムで溢れているという視点を持てるようになったから。 また、私たちが小さい頃から何気なく読んでいる桃太郎などもナショナリズムのひとつだと言えると知り驚いたから。
- 【6】理由) 自分達「国民」は、昔の日本やフランスでは、どのような政策を加え、「国民」と呼んでいたのか、改めて疑問に思い、考えたから。 (今とは認識が異なっていた)
- 【6】国民とは、その国(フランス)に住んでいる人すべてを指すと思っていたけれど、本当は、一体感を持ち、同じ言葉を話す人を指すことを知った。このことから、ユダヤ人や、外国人労働者などは含まれていないということを知り、国民の一体感を強めるための差別意識の的になっていたというところが、おかしいと感じたから。
- 【6】番のナショナリズムについての学習が特に印象に残った。理由は、歴史のターニングポイントにおいて、多くの国で同じような現象がみられることが面白いと思ったから。
- 【6】「国民」というものが、簡単にこれと言えるものではなく、様々な物事が絡み合って出来ているものであるとわかったから。 国民としてまとまることにデメリットがあるということに衝撃を受けたから。
この先に含まれるコンテンツは会員限定のコンテンツです。
単元に含まれる教材
この先に含まれるコンテンツは会員限定のコンテンツです。