05_市民革命は、社会をどんな人にとって「生きやすい」社会に変えたといえるだろうか?
教材のねらい
滋賀県立彦根東高等学校の濵野優貴先生からの提供です。
濵野先生からのメッセージ
「市民」とは誰か?をテーマとして、イギリス革命、アメリカ独立革命、フランス革命を一気に扱いました。 イギリス革命の主体が中小産業資本家であり、水平派との対立が残ったこと(のちの産業革命の構図を想起しつつ)の読み解きが難しかった様子でした。 物事は100点満点ではないこと、市民革命の光と影を理解することを目指しています。
資料♥「イギリス革命」はオリジナル。
資料♦・♠は、武井さんの実践「市民革命は、どんな人にとって「生きやすい」社会に変えたといえるだろうか。」、西岡さんの実践「市民革命はいかに社会を変えたのか? 革命後の社会は、どの程度「私たちの社会」と同じだろう?」(「『現代の「私たち」の生活や社会は「近代化」の影響を受けている』ということを、あなたはどのように説明しますか?」の第1時)を参考に作成しています。
生徒の感想(授業アンケート「歴史総合のこれまでの学習(プリント【1】~【6】)の学習のうち、特に印象に残っている授業と、その理由を教えてください。」への回答)
- 【5】の、フランス革命はいったい誰を豊かにしたのかというテーマが特に印象に残っている。人権が政府に初めて認められた革命としてとらえていたけど、様々な人の立場にとってみると、すべてがよかったこととは言えないのだなと思った。
- 【5】 革命で恩恵を受けたのは市民の男女だっと思っていたが男性だけであったとわかったから。
- プリント【5】 理由…今までイギリス革命は市民が自由を手に入れたというきれいな面しか知らなかったけど、今回の学習でそもそも市民の定義が自分の想定と違ってごく一部の人の利益にしかならなかったことに驚いたから。
- 【5】国民や市民といっても女性が含まれていなかったり革命を起こしたからといってみんなが幸せになれるわけではないというところに中学校のときと比べ考えがだいぶ変わるほどの印象を受けたからです。
- アメリカ独立戦争がイギリス人によって始められたと初めて知って驚いたので、プリント【5】
- 【5】今まで、イギリスやフランスなどでは、革命が市民にとって生きやすい社会に変えたと思っていたけど、実際は、すべての市民が生きやすい社会になったとは言えないと分かったから
- 【5】今も栄えているアメリカ、イギリス、フランスを変えた革命は中学校の頃から興味があった。しかし、国がよりよくなった、という印象が強かった。この授業では、国自t字は潤ったのかもしれないが大半の国民に視点を変えることで、黒人や平民には何も変わってなかっておらず、自分の認識の過ちに気づかされたから。
- 【5】中学校で習った、イギリス革命やフランス革命、アメリカ独立革命について深く知れたし、部分的に知っていたことがつながったからです。
- 【5】市民革命 今まであいまいだった革命について起こった順番や各革命のつながりを知って納得した部分が多かったから
- 【5】市民革命に興味があったから
参考文献・資料
- 『明解 歴史総合』帝国書院、P.33
- 大塚久雄『歴史と現代』朝日新聞社、1979、P.12~17
- 近藤和彦『イギリス史10講』岩波書店、2013、P.128~129
- 『私たちの歴史総合』清水書院、P.29
- 福井憲彦『興亡の世界史 近代ヨーロッパの覇権』講談社、2017、P.141
- 三成美保ほか『歴史を読み替える ジェンダーから見た世界史』大槻書店、2014、P.166
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