ウルトラマンと沖縄 過ぎ去らない過去とどう向き合うか?

教材のねらい

滋賀県立彦根東高等学校の濵野優貴先生からの提供です。

濵野先生からのメッセージ

 3月は、定期テストが終わり、比較的“好きなことができる”時期なので、「グローバル化と私たち」の「沖縄返還」を扱う単元と、年度初めに飛ばしてしまった「歴史の扉」とを統合することを目指して、設計しました。
 他の研究会で報告した際に、参加者の方にレポを書いていただいたので、それを以下に転載します。
 「『見て見ぬふりをする』自分たちのあり方に戻ってくる仕組みになっている」という点は、他の授業でも意識していた点の1つでした。

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 一斉学習の教授法を一切行わない歴史学習を目指して実施した、歴史総合の実践報告。知識構成型ジグソー法をとる。
 「ウルトラマンと沖縄 過ぎ去らない過去とどう向き合うか?」をテーマとして授業。

 知識構成型ジグソー法では、
1 効果的な導入のあと、
2 資料を分担して読み解き、他の班員に説明できるように準備するエキスパート活動、
3 エキスパート活動で読み解いた内容を班で共有するジグソー活動、
4 まとめの段階をとる。
(濵野 注: 厳密には、KCJのアレンジ版)

 「ウルトラマンと沖縄」では、3つの資料を読み解く。
 メフィラス星人「ウルトラマン、貴様は宇宙人か地球人か」に沖縄出身の金城さんがどんなメッセージを込めたか、沖縄海洋博覧会の光と影 金城さんは何を訴えようとしたか」「毒ガス怪獣出現 帰りマン第11話に、金城さんのどんな思いが込められているか」それぞれ資料と読み解くための問いが用意されている。
 ジグソー活動では、「中心発問 沖縄の人々にとって、本当の意味の沖縄返還とはどのようなことでしょうか?そしてそれはどの程度達成できたと、あなたは考えますか?」ロイロノートの共有ノートで進捗を全員で共有。生徒からは別の班の進捗がわかり安心感があると。
 濵野実践は、生徒を問題に没入させる構造をもっている。ウルトラマンでは、金城哲夫を例に、沖縄の、アイデンティティの問題、経済的に植民地化される沖縄の問題、アメリカ軍基地の問題を目に見える形で考えさせている。
 そして、問いは最後に、「見て見ぬふりをする」自分たちのあり方に戻ってくる仕組みになっていると思う。
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参考文献・資料

  • 書籍
    ・ウルトラマンを創った男―金城哲夫の生涯 (朝日文庫)
    ・金城哲夫 ウルトラマン島唄
    ・怪獣使いと少年―ウルトラマンの作家たち
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