大衆は、第二次世界大戦の展開にどうかかわっただろうか?
教材のねらい
滋賀県立彦根東高等学校の濵野優貴先生からの提供です。
濵野先生からのメッセージ
県の研究授業でした。学び舎教科書の、アンネ・フランクとオードリー・ヘップバーンのページをきっかけに、白バラ運動も加えて、3つの子ども・若者とWW2のストーリーを軸に、知識構成型ジグソー法(KCJ)を実施。
「大衆は被害者なの?加害者なの?」と繰り返し問う。
「第二次世界大戦中、大衆は①ナチ党に協力・加担する、②ナチ党に反対・抵抗する、③社会に無関心となって見て見ぬふりする、の3つの選択肢を取り得た。あなたなら、どういう生き方を選択しただろう?」の問いは、学び舎教科書の授業案から。
生徒に問うと、③が圧倒的に多い。ディスカッションの様子を聴くと、「本音は②。でも現実を考えると、、」という声が多数。
「白バラ運動をした3人と、みんなは何が違うのかな?なんで、反抗・抵抗するのは無理だと思ったのだろう?」と問う。
「抵抗して殺されるかもしれない。死ぬことを考えたら、、」
「でも、自分に嘘をついて、ナチ党に加担したり、見て見ぬふりをしたら、自分の心は死んでしまう。死んだも同然や」
「でも、生きたいと願って生きることは悪いことなんかな」
私が指名するまでもなく、クラス全体で議論に。
研究協議では、構成主義の考え方について「知識を習得してから、教員が与えてからしか、思考できない、などということはない。思考しながら学ぶ。考えたいから知識も頭に入るんです」と述べた。「先生がほとんどしゃべってない。それなのに、全部教えるよりはるかに理解が深まっているし、自分の意見が言えている。他人の意見も聴ける。言い合える環境になっていた」などの反応。
参考文献・資料
- 子どもと学ぶ歴史教科書の会 (編集)(2016)『増補 学び舎中学歴史教科書 ともに学ぶ人間の歴史』
- 山口路子(2012)『オードリー・ヘップバーンという生き方』
- 對馬達雄(2015)『ヒトラーに抵抗した人々 - 反ナチ市民の勇気とは何か』
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